月刊TKCの6月号に株式会社TKC飯塚会長の訓辞ならぬ小言?が載っていた。
実は、飯塚会長は早稲田大学大学院商学研究科会計学専修の大先輩である。そんな意味でも、お話ができる機会があるとわくわくする。先日も、所属のセンター長にはお世話になっていますよとお話申し上げたところ、最近は自分の会社の社員をほめていただく事が一番うれしいんですよとおっしゃっておりました。この「最近は」というところがいいですよね。
講演などでお話を聞くと、「先生方、税理士業務はもちろんのことですが、税理士事務所の経営者としての仕事をしてますか?」という問いかけが聞こえてくるような気がしている。経営者としての税理士像が確立しているかどうかだ。
賛否両論あるとおもうが、経営がうまくいっていない事務所にお客様は集まるはずがない。優秀な経営者の方なならば、その臭いをとっさに嗅ぎ分け、その事務所の組織力・構成員の能力などをすぐに判断する。ましてや、所長税理士が掲げる事務所の方向性に注目するものだ。
要は、一緒に前に進めるかどうかの「道しるべ」を持っているかどうか。それは「羅針盤」ともいえよう。「さあ、一緒に荒波の航海に出ましょう!」と語りかけることが、長いお付き合いの始まりとなる。税理士事務所の存在意義ってこれなのかもですね。
で、ここからは、株式会社TKCの社員の方がコツコツと刻んでこられた、飯塚社長(現会長)の訓示をまとめたものです。非常に参考になりますので、みなさんと共有しましょう!
飯塚社長(現会長)の小言
一.常に顧客の視点で考えよ。顧客に通用しないエンジニアの良心を振りかざさすな。
一.目標は執念を持って、その達成に全力を尽くせ。
一.目標に向かって、まっすぐ歩け。脇見をするな。
一.火事場で「火の用心」を叫ぶな。まず消せ。
一.失敗したら必ず再発防止策を作って、後のコストを回収せよ。
一.周知しただけで、徹底できると思うな。社長命令でも動かない社員はたくさん居る。
一.本質を見極め、全体の七~八割をおさえる打ち手を早く打て。残りは後からついてくる。
一.まず、全体像を示せ。
一.悪いことほど早く報告せよ。
一.事実と意見を分けて報告せよ。
一.企画書にはコストを明示せよ。
一.みんなで稼いだ会社のお金を無駄使いするな。
一.価格はとことん交渉しろ。請求されるがままに支払うな。
一.縦割りを排除せよ。タコツボに入るな。周りを巻き込め。
一.日本人としてのプライドを忘れるな。
一.ペコペコするな。堂々と一回だけお辞儀せよ。
一.前例を無条件で踏襲するな。「これまでそうだったから」は、最悪の思考省略だと思え。
一.常にシステムを前進させよ。それがシス研の使命だと思え。
一.広辞苑を引け。造語をするな。
一.自分の書いた文章を英訳できるか検証せよ。
一.平易な表現を心がけよ。一般的でない技術用語を顧客に使うな。
一.上司の方針を自分の仕事に落とし込め。そして、実行可能な言葉で部下に伝えよ。
一.上司に下請けの仕事(誤字ある文書の校正等)をさせるな。
一.上司の思考中に割り込むな。
一.社外で上司に恥をかかせるな。
一.「人を殺さば、その血を見よ。」トラブル時には最速で全ユーザを突き止め、すべて救済せよ。
一.上司は偉いと思うな。単なる役割だ。偉い部下も大勢いる。
一.部下を私物化するな。
一.人(特に部下)のやる気と時間をムダに使うな。
一.部分最適ではなく、全体最適を目指せ。
一.常に周囲への気配りを忘れるな。
一.家庭(配偶者)を大切にしろ。
一.イノベーションをロジカルに組み立てよ。
一.設計の基本は「抜苦与楽」だ。顧客を苦しめるな。
一.着眼小局・着手大局だ。微かな兆候を見逃すな。
一.情報共有は相手が腑に落ちるまでの時間を考慮せよ。
一.業績評価にはメリハリを付けよ。悪しき平等感覚を捨てよ。
一.自分が持っている情報で誰が助かるかを常に考えよ。
一.秘書的な感覚で仕事をするな。やる以上は「俺が責任者だ」と思ってやれ。
一.適材適所で人事を決めよ。適性のない仕事は、社員にとっても会社にとっても不幸だ。
すばらしい!
おしまい 甲賀
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