鈴木圭介の読書日記No3

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今回は私の好きな作家、村上春樹氏の「海辺のカフカ」です。

物語は15歳の少年が、己の辛い過去、それから複雑な愛情関係と戦って強くなっていくというものです。少年自身の世界と関連するもう一つの世界が同時に進行するというパズルのような仕組みになっており、エンディングも読者の想像によってどのようにも解釈できるといった感じです。

気にいったフレーズは、作者がカーネルサンダースという人物に語らせている

『すべての物体は移動の途中にあるんだ。地球も時間も概念も、愛も生命も信念も、正義も悪も、すべての物事は液状的で過渡的なものだ。ひとつの場所にひとつのフォルムで永遠にとどまるものはない。宇宙そのものが巨大なクロネコ宅急便なんだ』
っていうとこです。
要するに(私が考えるに)、諸行無常ですか。

確かに、そーですよね、すべては動いている又は変わっている。ただ、だからこそ変わらない物は、美しいなと思います。

また、この小説の中には沢山のいい曲が登場します。こうした、曲とセットで読むとより味わい深く感じるはずです。ちなみにお勧めは
 ジョンコルトレーン『マイ・フェバリット・シングス』
 レイディオヘッド『キッド・A』

ただ、私は村上春樹氏の作品の中では『ノルウェイの森』が一番好きです。ノルウェイの森と比べるといささか気取りすぎの感があり私としては残念でした。
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